※自動車ライターさんに取材していただいた記事です。
突撃取材でカーショップを紹介していくCar Shop Report。
今回登場する販売店は、元小学校の先生で市民ランナーでもある社長率いる
超地元密着型の総合カーショップ『高橋モータース』さんです!
有限会社 高橋モータース代表取締役・高橋俊明さん。小学校の先生を経て家業の高橋モータースに入社。2007年に代表取締役に就任。
非常に数少ない「国家一級自動車整備士」であり、しずおか市町対抗駅伝に出場した市民ランナーでもある
「地元を盛り上げる仕事がしたい」と小学校の先生から転職!
「地域密着型の車屋さん」というのはよくあるフレーズだが、ここ袋井市の『高橋モータース』は、もしかしたら究極の“地域密着型”なのかもしれない。
というのも、代表取締役である高橋俊明さんはある時「地元に貢献できる仕事がしたい」と思い立ち、11年間勤め上げた磐田市および浜松市の小学校教諭の職を辞し、袋井市の家業を継いだ。以来、地元笠原地区の車社会に貢献するモータースの仕事をバリバリやるかたわら、「高橋モータース・ランニングクラブ」を結成し、袋井市民駅伝に「チーム笠原」としてチャレンジしている。
高橋モータースのもう1人のキーマンである竹内 肇メカニックも、ネッツトヨタ静浜に22年間勤務し、うち16年間は工場長を務めていたのだが、高橋社長と同じように「地元で働きたい……」と思っていたある日、ひょんなことでタイミングが合い、ネッツ工場長の職を辞して高橋モータースに入社。これまたそれ以来、地元のお客様とじっくり話しながら自分でも納得がいく整備が行える毎日に、ひたすら充実感を覚えているというのだ。
メカニックの竹内 肇さん。1990年にネッツトヨタ静浜(当時はビスタ店)に入社し、その後16年間工場長を務めたが、2012年4月に高橋モータースに転職。「ディーラー時代ももちろん充実していましたが、今はさらに充実していますね。お客様とじっくり対話し、そして車ともじっくり“対話”することができますので、納得のいく仕事ができていると思います。もちろん日々勉強ですので、これからも精進を重ねていく所存です」
国家資格整備士が6名在籍する指定工場
そんなお二人をはじめとする総勢9名のスタッフ(うち6名が国家資格整備士)からなる高橋モータースは、中部運輸局指定工場。いわゆる「民間車検場」で、設立は1969年(昭和44年)。1997年には「優良指定自動車整備事業静岡陸運支局長表彰」を受賞している。大規模な工場には合計5基もの整備用リフトを備えているため、整備士が6名いるという点と併せ、急な修理依頼であっても余裕をもって対応してくれるのが特徴だ。車両販売においてもスズキ、ダイハツ、ホンダなど各メーカーの新車および中古車を豊富に展示している。
冒頭で申し上げたように「地域密着型の権化」だけあり、近隣でお客様の車に何かトラブルがあればすぐさま駆けつけるのが高橋モータースの流儀だ。
5基の整備用リフトを備える高橋モータースの指定工場。広さも十分で、そして5名の国家資格整備士が在籍しているため(高橋社長も入れれば6名)、どんなときでもお客様を無駄に待たせることのない迅速な対応が可能だ
地元のお客様の環境や状況を把握できているのが強み
ウルトラ地元密着型のビジネスゆえ、「お客様の環境や状況を把握できている点が当社の強み」とも高橋社長は言う。そのお客様にとって今、どんなサービスが必要なのか? 代車は必要か不要か? 家族構成から考えるとこうしたほうがいいのではないか? ……等々のことが高橋社長の脳内コンピュータにすべて記憶されているため、そのお客様の立場にたった提案をスピーディかつ的確に行うことができるというわけだ。
「創業47年という古い会社ではありますが、新しい技術も積極的に取り入れています。ハイブリッド車専用の診断機もございますし、フォルクスワーゲンDUOでメカニックをしていたスタッフもおりますので輸入車の整備も対応可能です。あと、草刈り機の修理もお任せください(笑)」
各メーカーの新車および中古車も豊富に展示している
高橋モータースを支えているメカニックのみなさん。47年前の創立当初から在籍する大ベテランやトヨタディーラーで経験を積んだスタッフなど、確かな技術を持つ整備士さんたちである
「一級自動車整備士」という超レアな資格をお持ちです
ここから先は、そのように穏やかに語る高橋俊明社長その人について、少々クローズアップしてみよう。なにせこの人、いろいろな意味で凄い人ですから!
何が凄いって、高橋社長は世にもめずらしい「国家一級自動車整備士」の資格を有しておられる。誤解のないよう言っておくと、たいていの整備士さんは「二級自動車整備士」の資格で仕事をしているが、これは何も「技術が二級(B級)」という意味では全然なく、整備の仕事をしたり工場を経営するうえでは二級資格でまったくもって十分であるため、わざわざ一級の試験を受けないだけだ。ここはとりあえずハッキリ言っておきたい。
で、高橋さんは約6年前にレアな一級資格を受験して見事合格されたわけだが、なぜわざわざ一級を取ったのですか? と問えば、「そこに一級があったから……」と、まるでアルピニストのように答える。とにかくこの人は凝り性で、そしてウルトラ努力家なのだ。
ハイブリッド車用の診断機も完備しています!
もともとは雑貨屋さんだった名残りで、切手やはがきの販売は今もやっている
かなりの難関である「一級自動車整備士」免許を持っている高橋社長。一級というのは整備や経営をするうえで絶対に必要な資格ではないのだが、目の前に目標があると達成したくてたまらなくなるのが、この高橋さんという人なのかもしれない
毎朝3時45分に起床し、12km走り続ける鉄人
駅伝にしてもそうだ。22歳のときに趣味でジョギングを始めたわけだが、いつしかジョグはランに変わり、そして32歳のとき、「第1回しずおか市町対抗駅伝」で郷里・袋井市代表として走る選手たちの姿に感動。「いつか自分もこれに出場する!」と心に決め、以来毎朝3時45分に起床し、12キロのランニングをかかさず続けた。
が、高橋さんもそのときすでに30代。若い20代の選手たちを上回る記録はなかなか出せなかったが、黙々とチャレンジを続けること9年。40歳のとき、ついに「40歳以上の部代表」となったのだ! 翌年、41歳のときも見事代表に選ばれたが、42歳から48歳の間の予選会では惜しくも2位という成績が続いたため、正選手ではなく「補欠」になり、本大会には出場していない。
「もう一度、市町対抗駅伝に出るまでは死ねません」
そう語る高橋さんは今日も10km超の距離をかなりのハイペースで走っている。本業をおろそかにしてではなく、地元のお客さんの元にすぐさま駆けつけたりしながら、である。
……鉄人というほかない。そんな「鉄人・高橋」がいる高橋モータース、あなたもぜひ一度訪ねてみてください!
その当時の模様を伝える静岡新聞の記事
その当時の模様を伝える静岡新聞の記事
自身の市町対抗駅伝への挑戦だけでなく、地元の人らと「チーム笠原」を結成し、袋井市の駅伝大会にも楽しく参加しています
陰に陽に高橋モータースを支えている女性スタッフの皆さん。取材当日は「晩生柑」という巨大なミカンをいただきました!
※記事の内容は2014年3月掲載時のものを加筆修正したものです。